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盛岡はどのように国際化に向かうのか 

都市デザイン総合研究センター理事 佐々木栄洋
日本政府観光局(以下JNTO)が昨年12月16日に発表した統計によると、2015年1~11月の訪日外国人客数は1,796万人に達し、2014年の年計を超し過去最高を記録した。残念ながら私の日常生活において、外国人が増えていることを感じる機会はあまりないが、東京や大阪に行くと年々日本を訪れる外国人が増えていることを実感する。さらに驚くのは、訪日が増加している国は特定の国に限ったものではないとう調査結果であり、韓国、中国といった隣国をはじめ、アジア諸国、欧州、北米など世界的規模で広がっており、日本を訪れたい人が世界中にいることである。
近年、人口減少にともなう社会問題が各方面で活発に議論されており、その対策の一つとして訪日外国人を増やす施策が国策として取り組まれている。我が国の文化遺産の世界遺産登録、全国の自然遺産の鑑賞を目的とした訪日プロモーションはその表れである。これに加え、JNTOでは、円安基調の継続と消費税免税制度の拡充による買い物需要、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がり、近年の査証免除や要件緩和など様々な好条件が相まった結果が訪日外国人増加の要因と分析している。
この分析結果に異を唱える人はいないと思うが、これ以外の要因がいくつも存在すると考える私に、日本人以上に日本をよく知り、日本を愛する外国人たちは、「日本の魅力は実に奥深い。日本を愛する私たちのような者は決して特別な存在ではなく、日本に興味を持つ人は潜在的に多い」と力説する。その後、決まって私は、「日本はどうしたらいいと思う」と尋ねるのだが、その多くが、「国際化への道を誤らないことだ」という回答で返ってくる。そして、日本の「おもてなし」は世界を凌駕し、おもてなしを体験しようと日本を訪れる外国人が増えていることで話は盛り上がる。
都市の国際化を推進する我が国において、現在の状況は望ましい潮流といえるかもしれないが、私は違和感を覚えることが少なくない。脈々と受け継がれてきた伝統と文化が漂う厳かな空間での目に余る行動、商品を買い漁るといったいわゆるバク買い、外国人による犯罪、投資目的による不動産の取得など、日本社会として対応に苦慮する場面も頻繁に報じられる。
そもそも我が国では地方都市の国際化をどのように捉え、どのように進めていくのかという議論が盛んに行われているだろうか。特に、私たちが暮らす岩手、盛岡が5年後、10年後、どのようにして国際化を迎えようとしているのか、私はとても関心がある。
 都市経済学の分野では、「都市再生・国際化・地域経済の活性化」というキーワードが地方都市には必要であるといった考察が示されている。都市再生によって国際化の潮流に対応し、地域経済の活性化を図るのである。都市再生とは、限られた資金や資源を都市部に投入し、これまでの都市ストックと民間の力によって都市の活力を回復し、地域発展の牽引力にしようとするものである。つまり、都市において、活力の源となるべき資源をひきつけるための「基盤の整備」や企業や人材を受け入れるための「仕組みの構築」を行うのである。国際化に対応した都市再生によって地域経済を活性化させるというのは、基盤整備や仕組みを構築するにあたって、その対象を海外の資本、技術、人材に拡大し、これらの資源を積極的に受け入れることによって、地域の発展、生き残りの道を模索しつつ、グローバルな競争関係と協力関係を新たに構築することである。そのためには、地方公共団体や地域企業が、自らのストロングポイントを再認識し、それを国際的な水準まで高めるための努力を継続することが必要となる。
強いリーダーシップに期待するのではなく、志あるものが集い、皆の知見を収斂し、勇気ある一歩を踏み出すことが必要ではなかろうか。まずは、盛岡市民、岩手県民の「国際化をどのように迎えるか」という議論が、今後盛んに行われることを期待する。
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